2010年09月05日

ライバル不在、取り口安定…白鵬、69連勝の可能性大

 【スポーツ深層】

 大相撲の横綱白鵬が、偉大なる記録に迫ろうとしている。“昭和の角聖”双葉山の持つ、最多連勝記録「69」だ。7月の名古屋場所では全勝優勝を果たし、15日制が定着した昭和24年夏場所以降では史上初となる3場所連続全勝を達成するとともに、初場所以来の連勝を47に伸ばした。すでに昭和以降の連勝記録では歴代単独の3位。モンゴル出身の大横綱が、日本の「国技」に刻まれた不滅の大記録を塗り替える可能性は高い。

 ■負ける要素なし

 名古屋場所14日目、白鵬は、過去2年間で唯一、3度土を付けられた大関日馬富士を、すくい投げで危なげなく下し、力の差を見せつけた。朝青龍に10勝15敗の対戦成績を残した元大関栃東の玉ノ井親方は「今の横綱に負ける要素は見受けられない」と舌を巻く。

 身長192センチ、体重154キロの体は柔軟で、手足は長いが重心が低いため、簡単に体勢を崩されない。右四つで左上手を引くと盤石の強みを発揮し、さらに「攻めの速さが前面に出ている」と玉ノ井親方は指摘する。けいこ場では、右四つから盤石の寄りを披露する一方で、「相撲は何があるか分からないから、残すけいこも大事」と、自ら下がって押させる相撲も取ることもある。

 187センチ、155キロの柔らかい体を武器に史上最多の32回優勝を記録した大鵬と似た「負けにくい取り口」で、昨年には86勝4敗という驚異的な勝率で年間最多勝記録をつくっている。右四つ、左上手で万全という相撲は、双葉山と共通する。腰を下ろし、相手にひざを突きつけながら寄る姿は貴乃花を彷彿とさせる。白鵬の取り口は過去の大横綱の域に近づいており、解説者で元小結の舞の海氏は「周りとの力の差がありすぎる。敵はもう自分だけかな」と舌を巻く。

 ■ライバル不在

 元横綱隆の里の鳴戸親方は「懐に入ってあわてふためかせること。攻め手はある」とするが、それをできる力士が見あたらない。一人横綱を打倒する一番手として期待されるのは大関陣だが、ベテランの魁皇はけがも多く、多くを望めない。琴欧洲と把瑠都は組み止める相撲を武器とするだけに、白鵬の術中にはまる。元横綱旭富士の伊勢ケ浜親方は「大関陣は、壁を乗り越えていこうという気持ちが弱い」と、連勝を阻止すべき側のふがいなさを嘆く。

 好敵手不在も連勝を後押しする。2月に横綱の朝青龍が不祥事で引退、名古屋場所前には野球賭博問題で大関の琴光喜が解雇されるなど、実力者が相次いで土俵を去った。

 双葉山の連勝を69で止めた安芸ノ海は体勢の低い相撲。食い下がりの姿勢から、双葉山が強引なすくい投げにきたところを、外掛けで倒した。大鵬の連勝を45で止めた戸田(のち羽黒岩)、朝青龍の連勝を35で止めた北勝力は押し相撲。一気の押しで金星を挙げた。番狂わせの可能性を秘めるのは、低い相撲か押し相撲であることを示唆する事例だが、低い相撲の豊ノ島や豪栄道、押し相撲の雅山は野球賭博問題で名古屋場所を謹慎し、秋場所は大きく番付を下げるため、白鵬との対戦はなくなる。

 ■69連勝を意識

 大相撲の最多連勝記録は、双葉山が年2場所制の昭和11年春場所から14年春場所までに記録した69連勝。白鵬は「意識しないと言えばうそになる。1つでも2つでもあこがれの双葉山さんに近づけるよう頑張る」と話す。順当なら千代の富士の持つ昭和以降2位の連勝記録53には秋場所6日目、双葉山の69には九州場所7日目に並ぶ。元横綱の貴乃花親方は「白鵬は他の力士との差があり、調子に波がない。この先もどこまで連勝が続くか楽しみ」としており、“双葉超え”は現実実を帯びてきた。




posted by とら at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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