W杯がいよいよ直前に迫り、岡田武史監督は本番では主導権を握れる可能性が小さいことを改めて認識したのか、国内最後の埼玉合宿から守備の整備に力を注ぐようになった。24日の韓国戦では、W杯に向けてリスクマネジメントにより重きを置く現実的な戦い方にシフトしたことを窺わせた。
今回のイングランド戦も守備対応のチェックに力点が置かれることになりそうだ。指揮官は「我々は2トップでこられたときに守備のバランスを崩すことが多いので、その辺のところがテーマになる」と語り、W杯の優勝候補が採用するとみられる2トップの攻撃にどれだけ対処できるか見極めるつもりだ。
試合2日前までスイスで行なわれていた合宿では、4バックの前にアンカーを置く形を非公開練習で試していたようだが、前日練習後に大久保嘉人が「昨日の練習の最終確認という感じだった」と話していたことから、イングランド戦でもその布陣の有用性をテストする可能性が高い。
ただ、守備対応という観点で言えば、もっと根本的なところが焦点になるのではないか。韓国戦では球際の競り合いでライバルに完敗した。試合の主導権を握る上で重要になるミドルゾーンの攻防戦では長友佑都、長谷部誠の2名は健闘していたものの、あとの選手は劣勢を強いられていた。韓国は試合のなかで1トップと2トップを使い分けていたが、90分を通して球際の競り合いでは日本よりも優位に立っていた。
普段からヨーロッパの厳しい環境でもまれている長谷部が「球際のところで勝てないと勝負にならない」とバッサリ切り捨てたように、セカンドボールの奪い合いでことごとく負けているようでは話にならない。
イングランドは世界で最も球際に激しく寄せに行くチームと言っても過言ではない。そういった相手と競り合った際に、ある程度は戦えるというところを見せることができたら大きな自信になるはずだ。まずは基本的な部分で強豪とも渡り合えるところを見せてもらいたい。

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